地元の特報ニュースとして、あの悲劇が報じられるのに偶然立ち会った。
たしかに、飲酒運転は犯罪だ。と同時に、虚衆なら(まったく下戸の人でない限り)誰もが誘引されやすい“日常に潜んだ落とし穴”でもある。
ちょっとくらい良いだろう。なあに、見つかりゃしないさ。誰だってコッソリやってることだ……等々。
ついつい、こうした発想に流されること自体が、当コラムで繰り返し主張してきた『現代日本人の精神に巣食った“虚衆の気の弛(ゆる)み”』そのものである。
ひとたび凄惨な事例が報道されれば、一億国民が右倣えのごとく「飲酒運転はけしからん」と言う。そんな反省ならサルにだって出来る。要は、長続きしない。忘却が激しい。その虚衆らの致命的欠陥に、今回どれほどのメスが入れられるか?
個人的には、あまり期待できないと思う。50年かけて弛み続けてきた怠けグセが、急に数カ月で引き締まるとは、とうてい思えない。
“国民病”たる飲酒運転は、10年や20年で減らないだろう。
では30年や50年で是正できるのか、どうなのか。今こそまさに、腐りかけた虚衆国家の(最初で最後の?)自主自浄力が試されている……。